実力と音楽を最高度に発揮した渾身のライブアルバム

昨夏のスウェーデンでの世界吹奏楽大会(WASBE)に続き、今年は12月にシカゴで開催される第58回ミッドウェスト・クリニックへの出演が決定するなど、その活動が国際的にも注目されている神奈川大学吹奏楽部。1月に行われた第39回定期演奏会でもその充実ぶりを余すことなく発揮しています。
中でも注目は、超難曲「ハリソンの夢」。この曲は、度重なる海の悲劇から無数の尊 い命を救うため、海上で正確な位置を計測できる機械の開発に挑んだ一人の時計職 人「ハリソン」を描いた作品です。様々な精密機器の動きが全ての楽器の細かい音符によって表される場面は、まさに息をつかせぬ気迫の熱演で聴衆を圧巻。史上最高の「グレード7」と言われるこの作品をここまで見事に描ききった演奏は必聴です。
熱狂と節度のバランスが見事に保持され、ライブとは思えない完成度の高いアルバム。常に聴衆を魅了してやまない神大、渾身の一枚です。

●曲目●

[1] ニューイングランド讃歌 (ジョン・ウィリアムズ/編曲:ポール・ラベンダー)

[2] ラ・グラン・マルシュ (星出尚志)

[3] トランペット協奏曲 (アレクサンダー・アルチュニアン)

[4] 吹奏楽のための「バラードI」 (兼田 敏)

[5] ハリソンの夢 (ピーター・グラハム)

[6] 歌劇「ポーギーとベス」より交響的絵画 (ジョージ・ガーシュウィン/編曲:ロバート・ラッセル・ベネット/編纂:小林久仁郎)


指揮:小澤俊朗
演奏:神奈川大学吹奏楽部


2004年1月5日　横浜みなとみらいホールにてライブ収録