曲目解説
喜歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」は、19世紀ドイツの作曲家・指揮者であったオットー・ニコライが作曲した3幕のオペラです。台本は、シェイクスピアの同名の戯曲に基づいて書かれた、H.モーゼンタールによるドイツ語のもので、15世紀のウィンザーを舞台に、老いぼれ好色男のファルスタッフ卿をフルート夫人やライヒ夫人らがやりこめる…といった、イングランドの中流階級の生活を描いたストーリーになっています。

作曲者のO.ニコライは1810年に東プロイセンのケーニヒスベルク（現在のロシア・カリーニングラード）で生まれ、1841年にウィーン王立歌劇場首席楽長となりました。1842年には演奏会シリーズ（のちのフィルハーモニー演奏会）を創設し、ウィーンの音楽生活向上に貢献するとともに、指揮者及びトレーナーとして高く評価されていたのです。

喜歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」は彼の名をドイツ歌劇史上不朽のものとすることになった作品で、特にこの序曲は器楽合奏のコンサートプログラムとしても人気があります。
この編曲は、春日部共栄高校の2015年の第29回定期演奏会で、都賀先生の指揮により初演されました。譜面では、Timp.の後打ちなど、省略してある部分があります。木管楽器は、弦楽器と管楽器のアーティキュレーションは統一せずスコアのままを入れてある部分もありますので、統一していただいても構いません。冒頭など低音はTubaを入れてありますが、静かな雰囲気が難しいようでしたら省いていただいても構いません。（福島弘和）