曲目解説
この作品は神奈川県綾瀬市立北の台中学校、大城美恵先生の委嘱により作曲されました。
曲は3つのパートに分かれており、続けて演奏されます。長いタイトルが付いていますが、このタイトルが作品の内容を如実に表しています。ポリテンポとは同時に異なるテンポで演奏されるということで、ポリトナールとは同時に違う調性が鳴っている状態を意味します。また、ポリリズムとは拍の一致しないリズムが同時に演奏される、ということで色々な拍子が同時に演奏される場合も含みます。

パート2ではバンド全体が幾つかの小さなアンサンブルに分かれて、それぞれが別な演奏をしますが、色々なお店のBGMが鳴っている商店街を歩いていて、あるお店に近づくとそこのBGMが大きく聴こえ、他のお店に近づくと別なBGMが少し大きく聴こえる、でも雑然と色々なBGMが聴こえている、といった状態をイメージしても良いでしょう。この状態が多次元的ミクロアンサンブル集合体のためのサウンドスケープ（音風景）となっているのです。各所で演奏されるハーモニックパイプ群も重要な要素となっています。（天野正道）