楽器の習熟度、音を遊ぶ余裕、アンサンブルの間合いの技術ともに必要な作品ですが、テンポなど奏者の自由度が高いので
取り組むメンバーによって独自の曲に仕上げていく面白さがあります。

【曲目解説】
「Saxophonic」とは造語であり、サクソフォン的な、サクソフォンのための、のようなニュアンスを含んでいます。カーニバルといってもただ単にお祭り騒ぎで楽しいのではなく、異様に興奮しているさまを表現するために、所々敢えて音を外して作曲されており、一筋縄ではいかない進行が多く見られます。対照的に中間部のワルツではジャズ的進行が現れ、それぞれの楽器の対話が繰り広げられます。
演奏にあたっては、これらの「一筋縄ではいかない異様な興奮」と「落ち着いたワルツ」のかけ離れた二面性をどう表現するかが鍵になると思います。ある意味では普遍的なものを避けていますから、曲の解釈も楽譜通りではなく自由にテンポ設定をしていただいても面白いと思います。（宮内栄輝）