現代吹奏楽に衝撃的な楔を打ち込む渾身の一枚。

E.コーポロンのもとノーステキサス大学院に留学していた中山鉄也が、帰国後満を持して発表する注目ディスク。以前から隠れた名曲に光を当て、優れた楽曲をいち早く紹介してきた中山氏だけあって、選曲は練りに練った秀作ぞろいです。D.ウィルソンのファンファーレ「ショートカット・ホーム」をオープナーに据え、独特の音楽表現が注目を集めているT.マーとF.ティケリの新曲、そして近年日本でも急速に人気が高まっているD.ギリングハムの話題の新作を3曲ラインナップ。さらに、最近の米国作品の傾向とも言える合唱曲の吹奏楽版を2曲、E.ウィッテカー「スリープ」とM.ロゥリードソン「おお、大いなる神秘」は、これからの吹奏楽界の重要なレパートリーとなること間違いないでしょう。そして目玉は、新進気鋭の作曲家T.メナードの吹奏楽処女作「ジョーズ・ラスト・ミックス」。テクノやミニマムなどの現代音楽手法をも用いて書かれたこの曲は、全く新しい吹奏楽レパートリーを感じさせる作品です。今後重要なレパートリーとなりうるこれらの秀作を、中山氏の志に賛同するプレイヤーがレコーディングのために集まり、より高い質の吹奏楽CD作品を目指しました。作曲者と親交の厚い中山氏ならではの、作品に対する深く鋭い洞察。その意を酌んで見事に演じるバンド。その呼応の高まりが熱いセッションとなって渾身の一枚が完成しました。


●曲目●

[1] ショートカット・ホーム (ダナ・ウィルソン)

[2] 誇り高く永遠に (デイヴィッド・ギリングハム)

[3] ノーブル・エレメント (ティモシー・マー)

[4] スリープ〜永眠 (エリック・ウィテカー)

ジョーズ・ラスト・ミックス (タナー・メナード)
[5] ブラームス][ラーガ
[6] 不明瞭な震音の連続
[7] カッコイイ男も踊れる
[8] 真っ逆さま][崩壊
[9] ディ・エッジ

[10] おお、大いなる神秘 (モートン・ラゥリッドソン/編曲:ロバート・レイノルズ)

エアロダイナミクス〜1903年オハイオ州デイトンでの飛行機誕生を祝して (デイヴィッド・ギリングハム)
[11] 発明
[12] 1903年 オハイオ州 デイトン
[13] ライト兄弟
[14] 飛行機の製作
[15] 飛行
[16] 祝賀

[17] シェナンドーァ (フランク・ティケリ)

カウンシル・オーク〜セミノール部族を讃えて (デイヴィッド・ギリングハム)
[18] ある日、私はカウンシル・オークの下を歩いた
[19] 枝の下で子供達は元気に遊びまわる
[20] 樫の木は昔のセミノール部族の男や女たちのことをはっきりと覚えていた
[21] しかし長い歴史の中で我々は嵐や大雨に敢然と立ち向かった
[22] 一人一人の一生は静かに消えゆく
[23] そして我々の信念の源(みなもと)はゆるぎない
[24] 我々は真の神の恵みより生まれた
[25] セミノール部族の長い歴史を語り終えて、年老いた樫の木は喜びに満ちた吐息をついた


指揮:中山鉄也
演奏:ヘリオトロープ・ウインド・シンフォニー

2003年12月7日 厚木市文化会館、2004年2月9、11日 秦野市文化会館にて収録