曲目解説
19世紀フランスの作曲家ドリーブは、「フランスバレエ音楽の父」と呼ばれており、特に「コッペリア」「シルヴィア」の2つのバレエ音楽で後世に多大な影響を与えました。彼が34歳で作曲した「コッペリア」は、命を与えられた人形を巡る物語、という内容から見ても、後のバレエ作品、チャイコフスキーの「胡桃割り人形」やストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」にも何らかの影響を与えていると言えましょう。
全曲は2幕からなりますが、今回の編曲は、前奏曲（抜粋）・マズルカ・ワルツ・チャルダッシュ（抜粋）の短い4曲を組曲風にまとめています。
通常編成で書かれていますが、小編成でも演奏できますし、技術的な難易度よりも音楽的な難易度（というか自由な作りの出来る楽しさ）が求められる曲です。親しみやすいメロディーと劇的な進行は、コンクールや演奏会に大変効果的でしょう。
（鈴木英史）