「憂鬱な詩」を主題に、第1楽章は穏やかで抒情的、第2楽章は軽快でジャジーな色彩を持ちます。
各声部に見せ場を配した構成で表現の幅が広く、各楽章のみの演奏も可能で、さまざまな場面で演奏できます。

【曲目解説】
タイトルである《メランコリック・リリック》は「憂鬱な詩」という意味を持つと同時に、第２楽章で各声部から次々に現れる“リック（lick）”を強調しています。
全体は２つの楽章から成り、第１楽章は穏やかで抒情的な旋律がゆったりと展開し、内省的な情感を描きます。続く第２楽章は一転して軽快でジャジーな雰囲気を持ち、各パートが呼応しながらエネルギッシュに音楽を織りなしていきます。
どの声部にも主役となる瞬間が与えられており、各奏者が自らの音色と表現力を存分に発揮できる作品です。強弱記号の変化が少ない部分でも、音楽の流れやハーモニーの中で「聴かせたい声部」を意識的に浮かび上がらせることで、より立体的な演奏になるでしょう。
それぞれの楽章のみを取り上げて演奏していただくことも可能です。コンサートのプログラムやコンクールなど、さまざまな場面で演奏していただけます。
(伊藤士恩)

【作曲家プロフィール】
2002年愛知県刈谷市生まれ。愛知教育大学音楽専修を卒業。作曲を橋本剛氏に師事。大学４年次に第３４回朝日作曲賞に入選（2025年度全日本吹奏楽コンクール課題曲『マーチ「メモリーズ・リフレイン」』）、同大学院１年次に第３５回朝日作曲賞に入選(2026年度全日本吹奏楽コンクール課題曲『あつまれ おもちゃのマルチャ！』)。
現在、大学院で教育について学びながら、作曲などの音楽活動を続けている。



【編成】
Soprano Saxophone in B♭
Alto Saxophone in E♭
Tenor Saxophone in B♭
Baritone Saxophone in E♭