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【レンタル楽譜】オルテンシア
-雨中に煌めく硝子の紫陽花(中橋愛生)
中橋愛生 作曲 演奏時間 約9:00 グレード 6
紫陽花(アジサイ)の樹は、その土壌によって花の色が変化すると言います。また、ガラスを通った光は、波長によって異なった色彩に分光されるそうです。もし、ガラスの紫陽花「オルテンシア」があったならば(そしてそれは実在するのですが)、どれほどの色彩の変化を見せてくれるのでしょうか。
雨霞の中、幽かな光を受けるオルテンシア。時に眩く、時に儚く、妖艶に映ろうその姿は、暗い宇宙の星々の変光を思わせます。
曲は、上記のイメージに添って構成されています。針のような枝をなぞらえた持続と、それにまとわる音響の層。低音という土壌に咲く、倍音の花。光のスペクトルのように、異なる周期が分離してゆく音群。これらの要素が、時にぼんやりと、時に明瞭に、重なり合っていきます。
曲の終盤、陽光の集積により頂点を目指しますが、行き着いた先で、ガラスの紫陽花という非日常は、突如として日常へと引き戻されます。しかし、それまでの音響と余りに異質な「日常の響き」は、逆に最も奇異に聞こえるでしょう。
なお、サブタイトル中の「雨中(うちゅう)」は「宇宙」との掛詞となっていて、英題では「rainy space」と表記されています。
創価グロリア吹奏楽団の委嘱で2007年に作曲したものです。(中橋愛生)
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雨霞の中、幽かな光を受けるオルテンシア。時に眩く、時に儚く、妖艶に映ろうその姿は、暗い宇宙の星々の変光を思わせます。
曲は、上記のイメージに添って構成されています。針のような枝をなぞらえた持続と、それにまとわる音響の層。低音という土壌に咲く、倍音の花。光のスペクトルのように、異なる周期が分離してゆく音群。これらの要素が、時にぼんやりと、時に明瞭に、重なり合っていきます。
曲の終盤、陽光の集積により頂点を目指しますが、行き着いた先で、ガラスの紫陽花という非日常は、突如として日常へと引き戻されます。しかし、それまでの音響と余りに異質な「日常の響き」は、逆に最も奇異に聞こえるでしょう。
なお、サブタイトル中の「雨中(うちゅう)」は「宇宙」との掛詞となっていて、英題では「rainy space」と表記されています。
創価グロリア吹奏楽団の委嘱で2007年に作曲したものです。(中橋愛生)