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【レンタル楽譜】百済伝説による交響組曲「神門物語」(真島俊夫)
真島俊夫作曲 演奏時間 約20:00 グレード 4
曲目解説
百済伝説による交響組曲「神門物語」は、1992年に宮崎市民吹奏楽団の委嘱により、宮崎県南郷村に伝わる百済王族伝説と「師走祭り」の起源をもとに宮崎と韓国の各地を取材して作曲されました。その伝承とは西暦660年、唐と新羅の連合軍により滅ぼされた朝鮮半島の古代国家「百済」の王族たちが日本に亡命し、宮崎県の南郷村・神門(みかど)の地に移り住みますが、平穏な日々もつかのま、唐と新羅の追討軍との激しい戦火のもと一族はこの地で最期を遂げた、と伝えられているものです。その後、この地には「神門(みかど)神社」が建立されて百済の王は神としてまつられ、百済王と皇子の再会の様子を再現したとされる「師走祭り」が伝わっています。
曲は4つの部分で構成されており、第3曲と第4曲は続けて演奏されます。各曲については宮崎市民吹奏楽団でこの曲が演奏された際のパンフレットに同団団長の松本嗣夫氏の文章によって次のように解説されています。
第1曲 百済国の繁栄と黄昏
その昔、いろいろな遍歴を重ねながらここに百済国が建国された。戦いに疲れた民衆が、国王とともに豊かな恵み多き国を目指し、夢多き営みがあった。しかし戦国の世は、いつまでも平和な暮らしを許してはくれなかった。太陽の豊かな光が、百済の里に降り注ぐ。朝である。鳥の囀り、そして人々の一日が始まろうとしている。労働歌が聞こえる。希望に満ちた平和な日々のなかに、また忌まわしい戦いの足音が、不気味に遠くから近づいてくる。'戦いだ'・・・・百済王は、国を守る為に奮闘したが、唐と新羅の連合軍の猛攻に、築き上げた都は炎と化し、ついに国は滅びてしまった。
第2曲 氷上郷の山々と祭り
岩の割れ目からほとばしる清水の音、木々のほのかな香りが伝わってくる。そして山々に立ちこめる深い雲海の、霧の流れに耳を傾けると村人たちの稗ちぎり唄が聞こえ、その響きは氷上郷(現在の南郷村)の山々に木霊する。その地唄の素朴な調べの中に、若者の打つ躍動的な太鼓の鼓動が、山の神がこれから起こる何かを暗示するかの如く意味深い余韻を含み、そして深い雲海の中にしずかに消えていく。
第3曲 百済王一族を守る戦い
戦いに敗れた百済王一族は、日本に逃れたが、幾多の苦難が待ち受けていた。時は過ぎ様々な過程の後やがて神門の地にたどり着いた。'村人の驚きと戸惑い'・・・・しかし、土地の民は疲れ果てた一族をもてなし、やがて深い絆ができてきた。ばんばの太鼓の鼓動、そして嫁取り唄、村人の一族に捧げる俚謡の数々、のどかな村に楽しげな宴が聞こえる。そして一族は、安息の日々を送っていた。しかし、安住の地、神門に一族討伐の追っ手がやってきて静かな村に戦いがおきる。やがて戦いは終わり、村人と一族は、村の再興と永久の平和を願い百済一族の高度な文化を伝承していく。時は過ぎ、穏やかな日々が続く。村人は、高度な文化を与えた旅人百済王一族を神として崇め後世に伝承する祭りを興す。ばんばの鼓動と師走祭りの笛の音が、遠くから聞こえ、そして賑やかな村人の歌声が大きなうねりのなかで賛歌となって響きわたる。
第4曲 おさらば 平和への賛歌
師走祭りの余韻が続く中、恋人の丘の鐘の音が山々にこだまする。長い年月を経て21世紀を目の前にした今日こうして両国の子孫が、1300年の長い年月に培われたこの伝説を語り合い、百済王一族への愛の賛歌が始まる。そしてこれは、この地球の豊かな大自然への感謝と未来永劫の崇高な深い祈りとなって展開していく。そして後世まで伝承されるであろう師走祭りに願いをこめて終曲する。これは、21世紀に向けての平和への祈りであり人類すべての幸せに万感の願いを込めたものである。
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百済伝説による交響組曲「神門物語」は、1992年に宮崎市民吹奏楽団の委嘱により、宮崎県南郷村に伝わる百済王族伝説と「師走祭り」の起源をもとに宮崎と韓国の各地を取材して作曲されました。その伝承とは西暦660年、唐と新羅の連合軍により滅ぼされた朝鮮半島の古代国家「百済」の王族たちが日本に亡命し、宮崎県の南郷村・神門(みかど)の地に移り住みますが、平穏な日々もつかのま、唐と新羅の追討軍との激しい戦火のもと一族はこの地で最期を遂げた、と伝えられているものです。その後、この地には「神門(みかど)神社」が建立されて百済の王は神としてまつられ、百済王と皇子の再会の様子を再現したとされる「師走祭り」が伝わっています。
曲は4つの部分で構成されており、第3曲と第4曲は続けて演奏されます。各曲については宮崎市民吹奏楽団でこの曲が演奏された際のパンフレットに同団団長の松本嗣夫氏の文章によって次のように解説されています。
第1曲 百済国の繁栄と黄昏
その昔、いろいろな遍歴を重ねながらここに百済国が建国された。戦いに疲れた民衆が、国王とともに豊かな恵み多き国を目指し、夢多き営みがあった。しかし戦国の世は、いつまでも平和な暮らしを許してはくれなかった。太陽の豊かな光が、百済の里に降り注ぐ。朝である。鳥の囀り、そして人々の一日が始まろうとしている。労働歌が聞こえる。希望に満ちた平和な日々のなかに、また忌まわしい戦いの足音が、不気味に遠くから近づいてくる。'戦いだ'・・・・百済王は、国を守る為に奮闘したが、唐と新羅の連合軍の猛攻に、築き上げた都は炎と化し、ついに国は滅びてしまった。
第2曲 氷上郷の山々と祭り
岩の割れ目からほとばしる清水の音、木々のほのかな香りが伝わってくる。そして山々に立ちこめる深い雲海の、霧の流れに耳を傾けると村人たちの稗ちぎり唄が聞こえ、その響きは氷上郷(現在の南郷村)の山々に木霊する。その地唄の素朴な調べの中に、若者の打つ躍動的な太鼓の鼓動が、山の神がこれから起こる何かを暗示するかの如く意味深い余韻を含み、そして深い雲海の中にしずかに消えていく。
第3曲 百済王一族を守る戦い
戦いに敗れた百済王一族は、日本に逃れたが、幾多の苦難が待ち受けていた。時は過ぎ様々な過程の後やがて神門の地にたどり着いた。'村人の驚きと戸惑い'・・・・しかし、土地の民は疲れ果てた一族をもてなし、やがて深い絆ができてきた。ばんばの太鼓の鼓動、そして嫁取り唄、村人の一族に捧げる俚謡の数々、のどかな村に楽しげな宴が聞こえる。そして一族は、安息の日々を送っていた。しかし、安住の地、神門に一族討伐の追っ手がやってきて静かな村に戦いがおきる。やがて戦いは終わり、村人と一族は、村の再興と永久の平和を願い百済一族の高度な文化を伝承していく。時は過ぎ、穏やかな日々が続く。村人は、高度な文化を与えた旅人百済王一族を神として崇め後世に伝承する祭りを興す。ばんばの鼓動と師走祭りの笛の音が、遠くから聞こえ、そして賑やかな村人の歌声が大きなうねりのなかで賛歌となって響きわたる。
第4曲 おさらば 平和への賛歌
師走祭りの余韻が続く中、恋人の丘の鐘の音が山々にこだまする。長い年月を経て21世紀を目の前にした今日こうして両国の子孫が、1300年の長い年月に培われたこの伝説を語り合い、百済王一族への愛の賛歌が始まる。そしてこれは、この地球の豊かな大自然への感謝と未来永劫の崇高な深い祈りとなって展開していく。そして後世まで伝承されるであろう師走祭りに願いをこめて終曲する。これは、21世紀に向けての平和への祈りであり人類すべての幸せに万感の願いを込めたものである。