曲目解説
2020年に藤村女子高等学校吹奏楽部の委嘱により作曲しました。顧問の都賀先生から「標題音楽を」と承り、女子高校からの委嘱でしたので、女性が主人公の物語を探したところ、香水やバラの名前にもなっている「ナエマ」の物語が目にとまりました。
ナエマのあらすじは、「双子の女王、ナエマとマハネは、ある日、預言者から二人の運命を閉じ込めた箱を渡されました。その後王子が現れ、二人とも王子に恋をします。自分の運命が知りたくなったナエマは、箱を開けてしまいます。ナエマの箱には炎の花、マハネの箱には水の流れが見えました。全てを焼き尽くしてしまう炎のように激しい性格のナエマは、自らの運命を悟り、安らぎの象徴である水のマハネに王子を譲り自分は姿を消してしまう」という内容です。この曲では、ナエマの炎の花が、美しく、激しく燃え、最後には自分の炎で自分を焼き尽くして昇天してゆくようなイメージで書きました。前半のフルートのソロが、ナエマの主題になっています。（福島弘和）