曲目解説
「かけら幻想」は2006年に、東海大学付属高輪台高等学校吹奏楽部が東京支部C部門での出場をするため、約20人の小編成の為に作曲をしました。
曲は色々な短い要素（つまり、かけら）が次々と現れ、それが集まって一つの曲を形成しています。曲想としては「幻想（ファンタジー）」という言葉のもつ壮大で神秘的な雰囲気というよりも、それぞれの「かけら」がワルツやブルーノートを伴ったジャズなど多種多様な曲想でめまぐるしく変わってゆく…むしろメリーゴーランドの様な爽快さをもつイメージになっています。
冒頭は木管楽器と低音楽器の変拍子のリズムから始まりますが、この変拍子の動機はそのままの形であったり拡大・転調したり、各楽器のソロに形を変えながら曲の随所に現れます。ビビッドなアタックや緩やかな歌いかただけではなく、それらが同時に混在する形になって現れますので、演奏する際はアーティキュレーションを意識しながら演奏できるといいと思います。
また、フレーズごとに（時には一小節ごとに）指定のテンポや楽想が変化しますので、バンド全体で雰囲気がガラっと変えられるように工夫をしてみてください。
（石毛里佳）