曲目解説
　この曲はアンサンブルピースを編成、長さ共に広げた作品で、「CAFUAセレクション2004 吹奏楽自由曲選〈ジェリコ〉」のための書き下ろし作品です。
　4度和声から敷衍されたおおらかな感じのするユニゾン主体の第1主題（冒頭部分）、複付点のリズムを中心とするメロディと3連符で構成される体位句をベースにした第2主題（練習番号B〜）、それから平行和声と細かい駆け上がりで作られているブリッジの部分（練習番号C〜）から成り立っています。この3つの要素が結合したり、反発したりしながら曲は進んで行き、最後はフガート・コラールで曲を締めくくります。
　また、前半のテンポ指定は四分音符=84になっていますが、これに拘らず演奏して良いと思います。ゆったり目に演奏するとより叙情的に、少し速めに演奏すると若干無機的、かつ冷酷さが増すでしょう。第1主題は少し遅めに、第2主題は速めに設定するのも効果があると思います。テンポを揺らす部分とジャストテンポで行く部分とを明確に分けたほうが演奏効果は上がるでしょう。ブリッジの部分に出てくる32分音符の3連は転びやすいので気を付けてください。全編通して極端な強弱の変化が出てきます。少し大げさかな、と思うぐらいのほうが曲のうねりが出やすくなると思います。
　この曲は映像音楽ではないので具体的なストーリーや描写はありません。しかし演奏者の皆様方が自分なりのストーリーや架空の映像をイメージしても面白いかも知れません。
　なお、タイトルには深い意味は全くなく、単なる語呂合わせですので敢えて日本語訳は表記しておりません。
（天野正道）