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From the Posthumous Works “遺作より” 【Alto Saxophone and Piano Trio】
アルトサックスとピアノトリオ / 宮内栄輝 作曲 演奏時間 約12:00
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CSP-034
From the Posthumous Works “遺作より” 【Alto Saxophone and Piano Trio】

アルトサックスとピアノトリオ / 宮内栄輝 作曲 演奏時間 約12:00

レパートリーが少ない二本のアルトサクソフォンとピアノのトリオです。
ショパンの遺作から三つの主題を組み合わせた“攻め”の音の構築。サックスの掛け合い、力強さ、融け合うハーモニーは繊細でドラマチックです。


【楽曲解説】
この作品は関西出身のサクソフォン奏者二人から委嘱を受け、2022年9月に「Tre Al-qaus」という三重奏団によって初演されました。

生前、世に出回ることがなかったショパンの優れた遺作達。「これほどまでにショパニズムが含まれた美しい作品を彼の生前に知ることができないとは、いよいよ人なんていうものは何者でもないのかもしれないな」という勝手で真剣な懐疑から、この遺作達に新しい景色を見てほしい、そして己の音楽と共に新しい宇宙を創り上げてみたいという好奇心によって作曲された。(無論、ショパンは他にも多くの優れた作品が生前に公開されているため、この事に対して悲観する必要は全くと言っていいほど無いのだが。)この作品ではショパンの遺作の中から三作、「ワルツ 第18番 変ホ長調」「ワルツ 第19番 イ短調」「ノクターン 第20番 嬰ハ短調」が用いられる。これらの音楽を組み合わせて再現したというよりかは、これらの音素材を組み合わせて新しい音楽を構築したため、この曲全体がワルツやノクターンといった様式に縛られている訳ではない。

二本のアルトサクソフォンとピアノというトリオは、国内外を見てもレパートリーが豊富とはいえない編成である。私はこの話を頂いた時に「未開の地を切り開くような想い」が湧き出し、このトリオのレパートリーとして後世にも残るような作品をということで作曲を進めた。そもそもサクソフォンにとってショパンというのは、ある意味遠い存在ではないのだろうか。コンテンポラリーの作品には恵まれている分、あえてこのロマン派の作曲家と組み合わせることで、作曲当時はその意外性みたいなものも楽しんでいたとさえ思える。ショパンの音楽との共存を目指したため、結果的にショパンと私の語法との対話のような作品になったと感じている。(宮内栄輝)

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