美しい旋律とハーモニー、優しさとノスタルジーを湛えたソロピース。
その耳触りの良さとはうらはらに、ミュート音や低音もしっかり鳴らす技術が必要です。

【楽曲解説】
曲は大きく2つの部分に分かれます。ゆっくりとした序奏に続いて、流れるような前半部分と、リズミカルなアレグロによる後半部分です。アレグロ部分の締めくくりでは前半部分のテーマが再現される、という極々オーソドックスな手法によって書かれています。
このタイトル「Ciel d'automne」は具体的に曲の内容を表してはいません。委嘱を受けてから締め切りまでの日数がかなり短かったので、曲が仕上がる前に付けた、言わば「符牒」のようなものです。また、この作品は標題音楽や描写音楽で無いので、そういった理由からもタイトルと作品の内容は、密接に結びついてはいません。
お二人に感謝を込めて。（天野正道）