現代的な響きと美しいメロディーが特徴のフルート八重奏曲。持ち替えでウインドチャイムやヴィブラフォンなどの打楽器があり、天野正道のアイディアが詰まった作品です。

【曲目解説】
エマニュエル・カントの概念に出てくる用法で、ラテン語で「先験的」「先天的」などと訳されますが、そのどちらも微妙に本来のニュアンスとは違ってしまい、そのまま[アプリオリ]と表記されることも多くあります。意味合いとしては「演繹的証明をする必要の無い、それ自体ではっきりしているという事柄」もう少し解りやすく言うと「物事を経験する以前にもうすでに知っている、備わっている」という感じになります。もっと詳しく知りたいのであればカントが書いた「純粋理性批判」を読んでみると良いでしょう。
Flute 3は小物のパーカッション、Flute 4はヴィブラフォンとの持ち替えになりますが、特にヴィブラフォンパートは、ちゃんと奏法の基礎を収得していないと演奏が困難ですので、決してフルートの片手間に、という感じにならないように注意しましょう。（天野正道）

【編成】
Piccolo（Flute 持替）
Flute 1, 2
Flute 3（Wood Block, Wind Chime, Triangle 持替）
Flute 4（Vibraphone 持替）
Alto Flute in F 1, 2
Bass Flute