【曲目解説】
この作品は一般団体の委嘱で作曲し、アンサンブルコンテストにて初演されました。
ユーフォニウムとテューバの柔らかい音色や深い響き、そして機敏性を取り入れながら作曲できないかと思い、試行錯誤しながら完成させました。
私は近年、能や歌舞伎、戯曲などの物語に基づいて作曲することが多いですが、この作品はそういったタイプとは違い、タイトルも曲が完成したあとにつけています。曲の雰囲気から、森やエメラルドグリーンの湖を想像し、「静寂の森」というタイトルをつけました。

曲の形式はわかりやすく、緩-急-緩-急で音楽が展開されます。4分の3拍子のゆったり歌うメロディは大自然の豊かさを感じさせ、そして速いテンポで動く8分の6拍子は生命の生き生きとした躍動感が表現されています。5人の奏者が様々に掛け合う部分もあり、とても面白いと思います。
演奏の際はメリハリをはっきりつけて、曲の変化を表現して下さい。そしてメロディが必ず聴こえるようにバランスにも気をつけましょう。（松下倫士）