タンゴのリズムに乗せて、時には激情を迸らせ、時には叙情的に…
クラリネット8重奏の広い音域、豊かな音色、高い運動性能を存分に生かせる作品です。

【曲目解説】
この曲は長崎県のアルビオン・クラリネット・ヴァリエ10周年記念コンサートのため、2015年8月に作曲したものです。
「Libremente」はスペイン語で「自由に」という意味の言葉です。低音域特有の憂いのある音色、高音域のアクティブな動きなど、クラリネットの静と動両方の持ち味を存分に活かせるタンゴ調の曲にしました。独特なリズム（7/8拍子）をベースに奏でられるメロディーやスケールは、感情のままに流れるように身体を動かす自由なダンスをイメージしています。
曲全体に“感情”というエネルギーが絶え間なく流れていることを意識し、静かな部分であっても単に遅く暗くならず、内に秘めたエネルギーの“歌”を巧く表現する、そんな工夫が必要です。
8重奏という幅広い音域の中で緩急様々に繰り広げられる華麗なクラリネットの世界を楽しんでもらえたらと思います。（阿部勇一）