同属楽器の特徴を活かした楽曲構成が魅力の楽曲。繊細な和音の移ろいや、変容してゆく楽想の移り変わりなど、現代的な響きが特徴です。楽器に習熟された方はもとより、中高生にも挑戦して頂きたい作品です。

【曲目解説】
佐川聖二クラリネット・オーケストラ　コンチェルト・ダモーレ第一回演奏会を祝して作曲。曲は思春期の心のときめきや、不安や希望のイメージをもとに、期待感と、この先、何が起こるか解らない不安が常に一緒になった精神・想いが、自由な形式のなかで進んでゆく。一曲目は、自由なテンポ感によるエッセイ風小品。和音の移行によって曲が成り立っている。二曲目は、ショパン「ワルツ」の引用による夢の中のダンス。非現実的な中での不安と絶望、楽しげで平易な感覚が分裂症のように混在する。最後は現実に戻り目覚めるように終わる。（鈴木英史）

【編成】
Clarinet in Bb 1, 2, 3, 4
Bass Clarinet in Bb