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【スタディスコア】 水面に映るグラデーションの空
芳賀 傑 作曲
演奏時間 約11:00
グレード:5
指揮者・大井剛史が「水面」の魅力や真髄について作曲者・芳賀傑に迫る対談動画を公開中!作曲の経緯、真島俊夫さんへの思い、現代音楽的手法への拘り、演奏上の留意点、派生曲「星屑パレット」についてなどを語ります。
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繊細なアンサンブルが織りなす情景、優しく深く心の琴線を揺さぶる傑作。
【第6回クードヴァン国際交響吹奏楽作曲コンクール第1位・聴衆賞受賞作品(テーマ:平和)】
空は境い目のないグラデーションで様々な色を繋げる。
空は水面に溶けるように映り込む。
この曲は1つの雫が水面に落ちる所から始まる。
雫は、波紋を描きながらますます落ちてくる。
水面に落ちる雫、それは涙。
2011年に日本では世界を揺るがす程の大震災が起こった。
数年経った今でも震源地では廃墟のままの学校や建物が残されているという。
私は震源地近くにいた家族や友人を心配する友人の涙を忘れる事ができない。
そして2015年、私がパリに移り住んだ冬に、その悲惨なテロは起こった。
当時住んでいた家の近くで起こったその事件に、人々が走り混乱していた。
全く罪のない多くの市民が意味もなく亡くなった。
大切な人を失った者の涙は、今もなお世界中で流れ続けているのだろうか。
その一方で私はずっと悩み続けている。何の為に、誰の為に生きているのか。
生きている意味があるのだろうか。それを考えさせられるのにはその2つの事件は十分だった。
そして私にできる唯一の事は、優しい音を書く事だった。
水面に落ちた涙が、境目のない空と水面のようにいつか、世界をひとつのグラデーションで繋げる事を信じてこの曲を書いた。
この作品はすべての犠牲になった命に、そして2016年に亡くなられた最も尊敬する作曲家、真島俊夫氏に捧げます。(芳賀 傑)