コンクール全国大会を“予習”しよう!-九州支部編

こんにちは!
“予習”シリーズの2回目は、九州支部代表団体が演奏する自由曲の中からいくつかをピックアップしてご紹介いたします。どうぞお付き合いくださいませ!
本日初めにご紹介する楽曲、それを収録したCDはこちらです♪

スパイラルハーツ
東海大学付属高輪台高等学校吹奏楽部(vol.10)
「スパイラル・ハーツ」
指揮:畠田貴生

福岡県の福岡市立姪浜中学校吹奏楽部が全国大会で演奏する、福島弘和『シンフォニエッタ第2番「祈りの鐘」』が収録されています。前回の中国支部編では、このCDから「フェスティヴァル・ヴァリエーション」を取り上げてご紹介しましたね。
『シンフォニエッタ第2番「祈りの鐘」』は、福島氏の代表的作品のひとつ「ラッキードラゴン~第五福竜丸の記憶~」に続き春日部共栄高校吹奏楽部の委嘱で作曲され、「ラッキードラゴンが最後まで、長三和音に到達できなかった」ことをうけて「祈りの鐘ではひとつの昇華、解放へ、長三和音の終結へ…」という、裏テーマがあります。
「純粋な器楽曲を目指した」とはいいつつ、非常に情感豊かな作品で、特にコールアングレソロの独特な雰囲気はとても魅力的です。

0109
東海大学付属高輪台高等学校吹奏楽部(vol.5)
「スパイラル・レジェンド」
指揮:畠田貴生、加養浩幸

2曲目にご紹介するのはこちらのCDから、全国大会では福岡県の福岡市立香椎第3中学校吹奏楽部が演奏するG.プッチーニ作曲、後藤洋編曲版『歌劇「トゥーランドット」より』です。
イタリアオペラらしい美しいメロディ、豪華で圧倒的な迫力がある(オペラの)舞台の雰囲気、そしてラストのカタルシスが大きな魅力です!
オペラのストーリーを知らない方にも、きっと「あぁ、良かった!」という気持ちを抱かせるラストは、オリジナルの力・アレンジの力・演奏者の理解と再現(表現)の力があってこそ。
全国大会では会心の「ブラボー!!」を呼ぶ演奏へ、期待が高まりますね。
それでは3曲目に参りましょう!

0033
土気シビックウインドオーケストラ(vol.6)
「N.ヘス イーストコーストの風景」
指揮:加養浩幸

長崎県の長崎市立山里中学校吹奏楽部が、CDのタイトルにもなっているN.ヘスの「イーストコーストの風景」を演奏します。
「イーストコーストの風景」は三つの楽章からなり、チャーミング&リラクシングな雰囲気で、きっとそこには良い空気が満ちているのに違いない…と感じられるⅠ.シェルター・アイランド、霧をまとう美しい山へ、敬虔な気持ちをこめて送る讃歌のようなⅡ.キャッツキルズ(トランペットのソロもとても美しいです)、一転して活発でにぎやかな、いかにも都会らしい雰囲気のⅢ.ニューヨーク、
いずれもそれぞれの場所の“良さ”、それを目の前にして「やっぱりここはいいなぁ!」と呟いているかのような、肯定的な気分が感じられて、そういった点でも聞き手に幸福感をもたらしてくれる楽曲です。

「イーストコーストの風景」は、こちらのCDにも収録されています!

0182
東海大学付属高輪台高等学校吹奏楽部(vol.9)
「スパイラル・フロンティア」
指揮:畠田貴生

こちらのCDの中では、『組曲「東海岸の風景画」』と表記しています。

お次はこちら!

0248
土気シビックウインドオーケストラ(vol.20)
「樽屋雅徳 プラネット・ナイン」
指揮:加養浩幸

CDのタイトル曲ともなっている、樽屋雅徳「プラネット・ナイン~未知への軌跡~」は、今年全国大会を席巻しそうな新曲ですね。九州支部代表では、福岡県の福岡工業大学附属城東高等学校が演奏します。
冥王星は惑星ではない、ということになってから早10年。新たな第9の惑星発見への期待、ロマン、宇宙の神秘、とおの旅。圧倒的な、スケールの大きさ、スペクタクルから、華やかで高い演奏効果、とステージに映える要素が揃っています。
コンクールでもコンサートでもとても良さそうですが、コンクールでは制限時間によりカットが予想されますので、ぜひこちらのCDで通して聴いてみて頂きたいと思います。

今日はご紹介したい楽曲・CDがまだまだ沢山あります! 休み休み読んで下さいね。
お次はこちら!

0245
海上自衛隊東京音楽隊
CAFUAセレクション2016「シネマ・シメリック」
指揮:加養浩幸、手塚裕之

タイトル曲の天野正道「シネマ・シメリック」は文教大学吹奏楽部の委嘱作品で、九州は熊本県の玉名女子高校吹奏楽部のほか、各支部代表、多数の団体がこの楽曲を全国大会で演奏します。
委嘱元である文教大学吹奏楽部の演奏はこちら。

0253
文教大学吹奏楽部
「R.シュトラウス 歌劇「ばらの騎士」組曲」
指揮:佐川聖二、安部迅、太田洋希

CAFUAセレクションの録音は、スピードなどを作曲者の意図に忠実に、文教大学の演奏はより情感豊かに緩急のメリハリも大きくなっているので、聴き比べてみると色々な発見がありそうです。CAFUAセレクションのブックレットには、作曲者自身による演奏のポイント、アドバイスも掲載されていますので、こちらもぜひチェックしてみて下さい。

本日最後にご紹介するのはこちら!

天雷无妄
浜松交響吹奏楽団
「天野正道 天雷无妄」
指揮:浅田亨

タイトル曲「天雷无妄」を、福岡県の春日市民吹奏楽団が演奏します!
通奏すると20分余りにもなる大作で、浜松交響吹奏楽団の創立40周年を記念して委嘱されたこの作品。勇壮ながらも、ハモることでリボンのように幅を出したファンファーレで始まる第1楽章、荒々しい3拍子で進んでいく第2楽章、厳かで神秘的な雰囲気を持つ第3楽章、ロクリア旋法からリディア旋法へと到達し、解放、浮遊、あらたな光へのベクトルを感じさせる第4楽章の全4楽章からなり、大作ゆえに「どこをどう選んで、どう並べて演奏するのか」といった点でも演奏団体によって違いが生じます。

楽譜のレンタル開始時にも楽曲を詳しくご紹介していますので、もしよろしければご参照下さい。>>天野正道「天雷无妄」レンタル開始!

そんな演奏団体ごとの違いを見聞きする楽しみもありますが、やはりそれもオリジナルのノーカット版を聴いて知っていてこそ。この浜響吹の録音で、ぜひ一度、全曲通して聴いてみて下さい!

いかがでしたでしょうか。少し長めになってしまいましたが、最後までお読み下さり誠にありがとうございます。
「シネマ・シメリック」「天雷无妄」、そしてCDはご紹介できませんでしたが、福岡工業大学吹奏楽部が演奏するB.バルトーク作曲、加養浩幸編曲の「中国の不思議な役人」は、CAFUAレンタルライブラリー作品としてPOST deスコアもご用意しております。
「しっかり楽譜も見てみたい!」という方は、ぜひご活用下さい。

次回は四国支部編をお届けいたしますので、どうぞお楽しみに!

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