⑩交響的詩曲「走れメロス」/ 福島弘和

こんにちは。前回まで、紹介ツイートを一気に連投で上げて参りましたが、本日からは少し間をあけながらご紹介していきたいと思います。本日ご紹介する作品はこちらです!
交響的詩曲「走れメロス」/ 福島弘和
演奏時間:約6分半 グレード:3+
http://www.cafua.com/products/detail573.html

小編成の紹介企画なので、小編成版を前提にご紹介していきますが、この作品には大編成版もございます。
大編成版の詳細ページ>>http://www.cafua.com/products/detail571.html

福島弘和『交響的詩曲「走れメロス」』は、江戸川女子高等学校吹奏楽部の委嘱により2006年に作曲されました。
顧問の先生から「オペラのような作品を」とのオーダーがあり、日本人に親しみの深い題材として、太宰治の「走れメロス」を取り上げたと、福島氏は話しています。

参考演奏収録CD①
CAFUAセレクション2007「メトロプレックス」
演奏:航空自衛隊西部航空音楽隊
指揮:加養浩幸・浦川薫
http://www.cafua.com/products/detail.php?product_id=186
コンクール自由曲におすすめの作品を集めたCDです。

参考演奏収録CD②
福島弘和作品集1『交響的詩曲「走れメロス」』
http://www.cafua.com/products/detail671.html
ブックレットに「福島弘和×鈴木英史」対談を掲載しています。

福島弘和作品集1『交響的詩曲「走れメロス」』では、収録した各作品に対して新たに福島氏から頂いたコメントを掲載しています。
「メロス」誕生にまつわる秘話も。。

『交響的詩曲「走れメロス」』は、“激怒”から生まれた。

題材となった小説「走れメロス」について、日本人なら大半の方がその存在を知っていらっしゃると思うのですが、話の詳細はどうでしょうか?
「内容、詳しく知らないなぁ」という方は、一度読み返して頂くと、福島氏の作品もより深く楽しむことができますよ。

楽曲が作られるときは、作品にストーリーあるいは流れ、展開のようなものを持たせ、素材をどう持って回ってどこにどう落とす、ということを考える手法もあると思います。福島氏の「メロス」は小説の流れに従って曲を組み立てています。

イタリア語で記されることの多い“曲想標語”は、「メロス」ではあえて日本語で書かれています。音楽史的な紆余曲折?があって、現在の「イタリア語で書かれるのが主流」というスタイルになっていますが、曲や作曲者のフィーリングに合わせた、柔軟な発想もアリじゃないか! と、気付かせてくれます。

中間部の、メロスの妹の婚礼を描くシーンは、楽器の数をぐっと絞り込んで数本の木管のみで演奏されます。素朴で柔らかなイメージが伝わってきます。メロスも、激しいばかりの人間ではないんですよね。

婚礼の後の困難に立ち向かう場面では、調性がb mollとなり、パートによっては最大でフラットが5つ付いてきます(フルート、オーボエなど)。
特に木管楽器は、フラット系の音階練習を重点的に行うと良いかもしれません。

最後にb mollからB durに転調し、身代りに残した友との邂逅、王との和解、大団円が描かれます。「この転調を大切に演奏して欲しい」とは、福島氏の言葉。総奏による爽快なエンディングで幕を閉じます。

本日は、福島弘和作曲の『交響的詩曲「走れメロス」』をご紹介しました。次回は5/27(月)のお届けとなります。
次回もお楽しみに!

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